はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

どう伝えよう

 国としての勢いとか、国際的な発言力あるいは影響力とかいう話になると我が国の先行きは縮小傾向にあることは否めません。先日の報道によれば存続できなくなる自治体の発生するペースが予想より早まっているといいます。確かに少子高齢社会は数字ではなく実感できる程度まで進んでいます。日本が得意とした科学技術分野での実績も明らかに衰退気味だといいます。歴代の政治家が国策として効果的な補助ができなかったことはもちろんですが、それよりも国を背負って何か無理してでもやるという気概が今の日本人には欠けています。

 教員は毎日若い人にある意味夢を語る仕事です。勉強すれば必ず自分のためになるし、それが社会のためになる。部活動は教室で学べない何かを獲得するための大切な時間だ。君たちの時代は今よりもっと豊かで素晴らしいものになる。そう語り続けるのです。しかし、それが現実には容易ではない。いまよりもっと困難な時代がこの後に待ち受ける。過去の栄光を懐かしむばかりの時代になるかもしれない。自分の子どもたちにどうしてもっとしっかりしていなかったのかと恨まれる。(ちょうど今、君たちが私たちにそう思っているように。)そんな時代になるかもしれない。

 私の価値観はすでに昭和の戦後と平成のものであり、物があふれていないと幸せではないなどと考えているのかもしれません。物がなくなったらどうしよう、それはものすごく不幸なことなのではないかと。あるいはこの価値観こそが間違っているのかもしれません。次世代の人間は食べきれないものを毎日捨てる生活になんの魅力を感じないどころか嫌悪感を覚えるかもしれない。経済的な成功よりも毎日の生活の充実感を大切にするのかもしれない。

 後生に伝える未来を何と表現すればいいのだろう。そんなことに漠然とそこはかとなくとらわれてしまうのは今日がこどもの日だからでしょうか。