はてなの毎日

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褒めて叱る

 精神科医のお話を伺うことがありました。カウンセリングを中心に行う先生の言葉は、それ自体が治療であると感じました。いろいろな話題を挙げて少しずつ核心に触れていくという話の展開は、カウンセラーの手法なのかもしれないと感じました。

 さて、人を叱る時には効果的な手法があるとのことでした。よく言われていることですが、褒めてから叱るというのです。他人の前での叱責や、精神的な逃げ道を封鎖して叱ることは、教育効果的にはうまくない。むしろ相手を認めていることを表明した後に叱ることが大切だというのです。

 いわゆる新型うつ病患者に接する時にはその先生はまずは相手の話を聞いて信頼関係を構築することに集中するとのこと。この種の人たちは自己防衛のためにさまざまな言い方をしてくるのですが、根本には現実逃避をしたい、そのために何か(誰か)を自分の阻害要因として設定することが多いといいます。これを取り除くために、時には厳しい物言いをすることが大事だというのですが、初めからそういうのではなく、相手の言い分を相当受け入れた上で行うようです。相手にとっては耳の痛い助言は、広い意味での「叱咤」に相当します。

 他人を叱る時、その人のためと思いながらも自分のいら立ちの解消の方に力点を置いてしまうのが大半の人の行動です。教員はいわば叱ることのプロですから、その効果をしっかりと学んでいかなくてはならないと今更ながら思うのです。