不安なるがゆえ

　これからの時代に漠然とした不安を持っている人は多いはずです。日本の景気の先行きはどう考えても好材料がない。人口減少と高齢化の中で経済的な競争力は減退していくばかりです。加えて天災の連続、とくに大地震のもたらす想像を絶する大被害の予感が心を苦しめます。

　不安なるがゆえに起きている屈折や絶望感が社会にもたらしている影響は実は大きなものがあるのかもしれません。豊かな生活水準を保ちながらも自殺や凶悪犯罪が後を絶たないのはそのためなのかもしれません。

　そのような現実に必要なのは現状の容認と自己肯定の感覚でしょう。また、他者との共感、協働の精神などがどのくらい発揮できるかも大切になってきます。よく言われる人的なつながりの意識を、ネットワーク端末のタップではなく、面と向かっての交流の中で築いていくことがその意味でも大切になってきます。