はてなの毎日

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主述の一致

 全国の小中学生を対象に行われた全国学力テストの結果が発表されました。国語教員としてはその結果に関心を持っています。県別の平均点のランキングばかりが話題になりますが、それよりも私は日本人の知的活動の根本に当たる基礎的な国語能力がどのように育成されているのかに興味があるのです。

 今回の小学6年生向けテストでは主述の不一致を指摘させる問題がありました。「反省点は、用具の手入れをあまりしませんでした。」という文が主述不一致ということを気づかせ、訂正させる問題です。これだけを取り出すとさすがに間違いに気づく児童は多いと思いますが、問題文の中にあるとやや探すのが難しくなります。また、話し言葉としてはこういう言い方は普通に聞かれるので、これが違うということをしっかりと認識するためには、書き言葉を読んだり、自ら書いて添削される経験がどれだけあるのかが大切ということになります。

 中学3年生むけの国語では図表を読み、書き手の意図を読解する力が求められる問題になっています。本文の読解はもちろん、図表を通して書き手が何を伝えようとしているのかを的確に言葉に置き換える力が求められています。この傾向は新大学入試の共通学力テストにも共通するものであり、世界的な学習評価にもつながるもののようです。国語が他分野の思考力の基礎を担う科目であることを改めて認識したのでした。

 識者の見解では国語力の教育にはまだ課題がたくさんあるとのことです。現場の教員としてはやるべきことを見直し、さらに研鑽を積む必要を感じます。