はてなの毎日

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気にしない

 馬齢を重ねて身についたわずかな智恵の一つに自意識の調節というスキルがあります。若い頃はちょっとしたことで自分が他人から奇異の目線を送られているのではないか、注目されているのではないかと考えてしまったものです。最近は自分がその他大勢の一人に過ぎないということがよく分かって、過剰な心配はしなくなりました。

 適度な自意識を持っていることは、社会生活上不可欠です。自分が見えなくなると他人も認識できなくなりますから、極めて不安定な状況になります。自尊心が損なわれれば生きていくこと自体が苦しい。

 自意識の調節は実はかなり難しい。私は今でもこのピント合わせに失敗することがしばしばあります。理屈ではなく経験の中で身につけるしかないのがこの方面のスキルの困難で厄介なところです。