はてなの毎日

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今こそ別れ目

 仰げば尊しは卒業式の定番歌曲ですが、文語の歌詞が理解しにくくなっているせいなのか次第に歌われなくなっているようです。それでも保守性の強い式典ゆえ、歌い継いでいる学校も多い。大切なのは心を込めて歌うことです。

 そのためには歌詞の意味が理解されなくてはなりません。和菓子(我が師)や愛おしい(いと疾し)は出てこないということを説明しなくてはなりません。それをクリアしても最後の難関、「今こそ別れ目」がある。別れ目は別れの時という意味にもなって、意味が通りそうです。でもそれではこの歌のメッセージは半減してしまう。

 「こそ」を受けた係り結びの「め」は意志を表す助動詞です。別れようという強い意志、安住の母校から次の世界に進んでいく姿こそ卒業にふさわしいのです。もう教員のレベルでも誤解が進んでいるのが現状です。国語教師が口うるさく教えるしかない。いや、そんなことをしたら、ますます取り止める学校が増えるだけかもしれませんが。