切実さ
死の問題を考えるときに大きく左右するのが切実さです。死を一般論で語るのと自身の死や家族などの関係の深い者の死とでは考え方が変わる。同じ枠組では語られません。
一般論としての死を語るときにこのことを忘れてはならないと思うのです。ただ、実際には思うほど簡単にはいかない。
他人を身近に考えるきっかけはいろいろあります。その一つに文学や演劇などの創作の世界の持つ力があります。作中の登場人物に視点を同化させることで赤の他人の心理を推測することが出来るのです。
死を語ることはやはり難しい。それは私たちが自分の視点を超越して物事を見たり考えたりすることができないことと深く結びついています。