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国語力は小学生で決まるのか

 我々国語の教員の中にも中等教育で国語力を伸ばすことは難しいという人が多くいます。文章を書かせてみると確かに圧倒的な差を感じることがあり、それをセンスの有無で語ることもよくあります。私はこの考えをとりません。

 作家や言語を芸術として使用する職を目指す人には確かに国語力の中にあるセンシティブな面を体得できているか否かは大問題になるはずです。しかし、それ以外の大半の職業や生活の場面での国語力はやはり継続的な練習で追いつくことができるはずです。

 脳の構造的障碍を持つ人を除けば、国語の成績不良者に共通することは、物事を説明する機会が少なかったという点にあります。文章の場合はそれが顕著で、何かを書いて説明しなくても周囲に伝える別の能力があるか、周囲が過剰に察しがよく説明の機会を与えなかったことが原因だと考えます。

 そこで国語力に問題のある生徒には言いたいことを感覚ではなく言葉で言わせたり、書かせたりする機会を意図的に増やす必要があります。それには教員だけではなく、家族の協力も必要です。

 読書をしない人は国語力が伸びないというのはある意味事実ですが、諦める前にやるべきことがあります。決して小学生で国語力は決まらない。虚言に惑わされてはいけません。