はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

試験に出ませんけど

 ものを考えさせる授業において試験に出ないことを盛り込むのは重要だと考えます。私たちは効率を重視しすぎて答えや問題の解き方ばかりを教え込もうとする。基本的にはそれは教えなくてはならないことなのですがそればかりではうまくいかないようです。学ぶ内容を厚くするよりも、学び方の習得に力点を置かなくてはなりません。

 ある事実を教えるとき、その背景にある様々なことを知らなければその知識は絶海の孤島のようなものになります。その島を知っていればそれなりの評価は得られますが、その島が自分の世界とどのようなつながりを持っているのかが分からなければ二度と訪れることがない秘境になってしまいます。たいていの知識は何らかの形で今の生活に結びつき、時にそれに大きな影響を与えています。それを知るためには最短距離から外れた場所の風景も伝えてあげなくてはなりません。

 その意味において試験には出ない様々な情報を、時には教える側の個人的な意見や感想も交えていかなくてはならないでしょう。いつでも訪れることができる場所にその知識をするためには少々遠回りの道案内も必要だと思うのです。