はてなの毎日

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離間の計

 近隣が愛憎関係になることは歴史的な事実であり、ましてそれが自治体や国家であれば累代の感情に包まれるはずです。日韓関係もその範疇に入ります。かつては適度な海峡が交流を阻害してきましたが、それがなくなると、侵略、戦争の歴史が始まり、その後は文化的交流も盛んになりました。

 近年、韓国政府が執拗に取り続ける反日気運は政権維持のために繰り返されてきたことですが、今回はそれに日本政府が呼応してしまいました。半導体の原料の輸出量規制という手法は明らかに報復的な手段です。

 しかし、この手法は我が国にとってはデメリットの方が大きく、私は反対です。韓国企業へのダメージを狙ったものであるとしても、結局は取引をしている当事者を苦しめることになります。半導体や液晶を自国で十分に供給する実力が残念ながら今の我が国にはありません。貿易立国が貿易を制限する方法に大きな矛盾があります。

 政治的な主張は会議の場で行うものであり、その場で解決をはかるのが叡智というものです。戦争は論外ですが、商業や文化面を巻き込んではなりません。

 古代から信頼関係を崩すことで連携を崩して弱体化する離間の計は効果的な心理作戦でした。どうも、この策謀にはまっているのではないかとも勘ぐってしまうのです。