はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

きっかけの宝庫

 以前にも述べたことがありますが私たちに必要なのは何かを始めようとするきっかけです。人から何かをやれと言われてもなかなかその気にはなれません。世間は物であふれているし出来合いのエンターテインメントでそこそこ満足できる。何かを新しく始めようとする気持ちにはなりにくいのです。

 新しいことを始めるためにはそれを是非とも実行したいという強い思いが必要でしょう。かつて私たちの先輩たちはそれがあった。というより自分でやらなければ立ち行かないという焦燥のようなものが裏打ちされていた言ってもいいのかもしれません。新機軸を打ち出すためにはそういう一種の渇きのようなものがいるのです。

 しかし、だからと言って不幸な状態を再現するのがよいとは思えない。私たちが必要とするのは困窮ではなく、現状を変えようとするエネルギーです。それを演出するのが教員の役割といえるのかもしれません。

 そのためには学校をきっかけの宝庫にするべきです。何かが足りない。自分でそれを変えていかなくてはならない。しかもやってみると面白い、と感じさせる空間を作るべきなのです。かつて私は学校を学びのテーマパークのようにしたいと考えたことがあります。楽しみながら自分を向上させていける空間です。その基本は変わらないのですが、ちょっと修正しているのはそのパークにあるイベントやライドは教員が用意するのではなく、生徒に作らせるという方針の方がいいのではないかということです。

 自分を向上させることの喜びを感じさせるきっかけをどれだけ見つけさせられるか。それが教育の現場で必要なことだと考えています。