はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

永年勤続

 アメリカ映画「カーライル」を見てきました。一つの職場に人生を捧げることの意味を考え直しました。

 カーライルホテルの従業員は数十年にわたって勤続する人がいて、彼らが独特の世界を創造しています。アメリカの雇用形態が多くそうであるように、彼らは同じ仕事を続け配置転換はほとんどありません。予約受付の社員は何十年も予約を受け続け、エレベーター係は行き先のボタンを押し続けます。その中で得意客の性格を知りぬき、数十秒の会話で客の心を掴む術を心得ています。

 宿泊料が破格に高額でセレブリティでなければ手が出ないホテルであるからこそ成り立つことなのかもしれません。自らの伝統と個性を売り物にできる自信が社員に満ちているのです。

 欧米型の雇用形態は現在日本企業でも広まりつつあります。非正規雇用(そう呼ぶべきではないという通達があるようですが)という極めて問題が多い形態も一般化して、一つの仕事に誇りを持ちにくい環境にあります。

 この映画は永年勤続者の証言をもとに構成されているノンフィクションですが、おそらく多くのアメリカ人にとってはフィクション、さらにはファンタジーのように映るのかもしれません。そしてそれは日本にも当てはまることになりそうです。