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付加価値

 教科の学習を完璧に教えることすら難しいのですが、これからの教育活動において必要なのは付加価値のある総合的な学習です。これが各学校のセールスポイントになってくるでしょう。受験生はどのような付加価値を期待するのかで学校を選ぶ基準になるかもしれません。

 中等教育学校において最終的な目的は卒業後の進路を提供できるかどうかにあります。たいていの場合大学進学がその目的とされますが、進学だけではなく職業人としてのスキルを身に着けることや、困難な時代をたくましく生きる精神力をつけさえることも立派な目的です。受験生は自分にあった進路の選択肢をより多く提供してくれる学校を選ぶことになります。

 進学校の場合、それは学力を高めることにありました。正確には試験で高得点を取る能力です。極端なことを言えば入学試験で高得点を取る能力さえつけさせれば中等教育は高評価を得られるのです。学校によってはそれを教員の高い授業力で達成させようとします。それよりも多いのは学びの雰囲気を醸成すること、つまり環境づくりで生徒を刺激し互いに競わせることで学力を伸ばそうとしています。一部の進学校の中には授業は自由奔放なものでありながら、生徒が自身で学習を積み高い進学実績をあげているという学校もあります。生徒に一種のプライドを持たせているのです。

 ただ、今後の社会が要請する能力は大学入試に合格する能力だけではありません。難関大学に合格する能力の大半は与えられた内容を学習を効率よく、粘り強く行う能力に集約されます。従順で要領がよく、忍耐強いという能力は確かに社会で必要な力です。ただそれだけでは済まなくなっている。さらに答えなき課題に挑戦し、挫折を繰り返しながらも仲間と協力して問題解決のために努力を続けるという力がより必要な時代になっているのです。学校の付加価値はこうした能力をつけさせることにも注目させなくてはならない。

 それならば、授業で学習すること以外の課題を生徒がみずから見つけ、協力し合いながら結論を見つけていくという課題研究の機会を与えることがこれからの学校の責務になると考えられます。あの学校に行けばプロジェクト推進能力が身につくという評価をえる必要があります。そのためには何をすればいいのか。教科の学習で埋め尽くされた時間割をどのように変えていくのか。最近はこのことを様々に考えています。