はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

余裕がないと

 物事の考え方に余裕がなくなると思考が短絡することがあります。何でも単純化して少ない色に塗り分けてしまう。細部が無視されて塗りつぶされます。

 他人に対する憎悪感はこの塗りつぶしの最たるものです。何もかもが自分と正反対のものと考えてしまう。実際には大半が共通しているのに、わずかな差にばかり目がいき、それが人格のすべてだと考えて憎悪の対象に仕立て上げるのです。

 最近の社会風潮にはそのような雰囲気があります。多様性を受け入れなくてはならないとのキャッチフレーズは耳にしても、実際にはますます分断していく。類似性の高いグループ同士で意味のない齟齬がいくつも起きています。

 社会の衰退の気運の中でどのように正気を保つのかがこれからの私たちの吃緊の課題です。