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ノートの取り方を教えよう

 当たり前だと思っていたことが見過ごされてきた気がします。国語教員にとってノートの取り方を教えることはその一つです。いろいろな方法がある中で誰でもすぐに実践できる方法は教えておくべきでしょう。

 私は授業をする前にノートを作っておかないといまだに心配してしまうたちなのですが、そのノートは教える側に特化したものです。しかし、生徒側の立場にも共通する要素は当然ながら多数あり、これを教えることは意味があると考えるようになりました。

 私の場合、ノートには板書(黒板に書く文字)と説明用のメモを色を変えて別に書いています。黒板に書ける文字数は限られており、私のような国語教師の場合は縦書きに書きますので天地の限度もあります。特に下の方は後方の席からは見えないので一行に書ける文字数はごく限られています。図説する方もいますが、あくまで言葉を教える国語教師にとってはなんでも図で書いていては勉強にならない。短く重要なことを文で書くことが大事です。それを生徒が書き写すことも考えればあまり長い文は書けない。板書することは説明の要点を構造的に示すことを中心に箇条書きとその構成を接続語で示すことを中心に行うべきだと考えています。

 さらに、板書はしないけれども大切なことを補足説明することがあります。これは考え方の手順を説明するものが大半です。国語とりわけ現代文の場合は用語を覚えるというよりは因果関係などの論理構造を可視化することが大事なので、それをメモできるようにキーワードが何であるのかを強調するようにしています。ノートを取らせるときにはこの板書はしないけれども大事なことを書かせる練習をさせる必要があります。具体的には時々、これは黒板に書かないが後で授業内容を振り返るときに大事だといって話を中断してメモを取らせるということをやっていくべきです。慣れてくればこれは自然にできるようになっていくはずです。

 授業の感想を書かせることも大事です。私はある方の著書から学んだ復習コラムを書くことをお勧めしています。授業の終わり、もしくは家庭学習においてその日の授業の要点や感想を数行で書かせておくのです。これで授業内容に対して主体的な取り組みができるきっかけができます。私の授業用ノートも一クラス終了した段階で、書き足したりけずったりすることをメモしたりしています。ノートは振り返りのための手段であり、単なる記録ではないことを生徒にも伝えなくてはなりません。

 ノートの書式や筆記方法については生徒各自が決めればよいのですが、何をどのようにすればよいのかということについては中等教育の間にじっくりと教えていく必要があります。これは社会人になってもデジタルで文書を作成するようになっても使えるスキルになりますので。