はてなの毎日

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どこに行ってきたの

 ウイルス感染が相次ぐ中で、感染ルートの特定が課題だと言われています。中にはスマートフォンの位置情報サービスを利用して個人の行動を把握することを始めた国もあるようです。これにはいろいろな弊害が待ち受けています。

 いわゆるクラスタとの接触の有無を知るためには位置情報の活用はある程度の効果があります。いつどこにいたのかは大抵のスマートフォンやスマートウォッチなどと言われる機器にすでに内蔵されている機能で事足ります。実は私はグーグルマップの持つ記録機能を使って自分の行動を振り返ることがあります。時々大きな誤差がありますが、概ね自分の行った場所と時間を記録できています。

 自分のことを振り返ることに関しては問題はないのですが、これが他人となると大問題です。その人の生活様式や趣向、場合によっては信条や生癖、体調、秘密の行動などもまる見えになる可能性があります。こうなるとストーキングと差はありません。

 今回のウイルス感染予防という大義名分はこの障壁を乗り越えるきっかけを作ってしまいそうです。利用時に個人情報が暗号化されると言われているもののそれがどこまでなのかまったくわかりません。いま私が利用中のサービスも悪意がある人、もしくは商業的な目的で必ず誰かに覗かれているに違いありません。

 こうして私たちは監視社会の中に少しずつ着実に取り込まれていくわけです。病魔がもたらすのは身体へのダメージだけではありません。