敵を作り

　最近の権力者は自分をよく見せるために敵を作ります。その敵が本当の脅威なのかどうかは実はよく分からない。とにかく恐ろしいと喧伝してやがて周囲の人もその敵を恐れ始めます。すると敵と抗するには自分を立てるしかないという。これは困った悪循環です。本当は凡庸な人間でもあたかも救世主であるかのように虚言を並べ、本当の実力者のように見せかけていく。こんな繰り返しは歴史上何度もあることなのに、私たちは見事にだまされてしまうのです。人物を見る目を私たちは養わなくてはなりません。