新成人に - はてなの毎日

　新成人になる人は国民の１％に満たないという。若者が貴重ということだ。諸君は個人を希少価値のあるブランドを持っていると考え給え。その上で言いたい。君たちの未来は平坦ではない。

　残念ながら君たちの先輩はあまりにも将来の予測が甘すぎた。自分たちの幸福を確保するあまり、君たちの未来への配慮を欠いている。だから当面は辛い状況が続く。でも、確信している。君たちはそれを克服することができるはずだ。豊満になりすぎて思考停止状態になった先輩は軽くいなしてほしい。敬意を持っていただけると幸いではあるが。

　忘れてほしくはない。私達はそれなりに懸命に生きたのだ。しかし、終盤で利己的になりすぎた。それは大きな失敗だった。だから君たちにはいいたい。私たちは一人では生きられない。他人の利益を考えることが結局は自分のためになるのだと。

　君には日本のプライドはもうないかもしれない。しかし、私達には日本という国が他国にはない特殊な能力があると信じていたことがあった。おそらく幻想だろう。でも幻想を持ち続けることも能力の一つだったことを忘れないでほしい。

　いいかい。成人というのは自らの責任を引き受けるということにとどまらず、この国のあり方を自分のこととして考えることなんだぞ。日本は衰退していく。衰退の中でも誇りを失うな。それさえできれば浮上のチャンスはいくらでもある。