さり気なく
私の理想は跡形を残さないことなのかもしれないと考えています。人によっては自分の足跡をいかに残すかに情熱を傾けるようです。これは万人に共通する欲望のようなものかもしれない。
しかし、私はそれよりも自分の存在が自然に忘れられていくことを良しとする考え方があるような気がします。だから、なるべく何かを残さず、自分の不在がまるでなにもなかったかのように消えていくことがいいのかもしれないと考えるようになっています。
名誉欲とか忘れてほしくないという願望とかがまったくないといえば嘘になります。しかし、それよりも自分の生痕をいかに残さずに去るかが大事なような気がしてきているのです。