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ノーベル賞が目標?

 国内でノーベル賞を受賞したのは金大中氏の平和賞のみだということで、韓国では国家的な取り組みとして、科学者への援助体制を組む動きがあります。このところの平和賞はかなり政治的な色合いが強く、受賞が必ずしも個人の功績だけにとどまらないところを見ると、平和賞以外の受賞者がいないことに不満を感じる気持ちはよく分かります。韓国はたとえばスポーツにおいても国家的なプロジェクトでオリンピックのメダリストを量産しています。今度はそれが学問の世界に傾けられるかが注目されます。
 こういう話題のときに韓国人は日本を引き合いに出すようです。日本には19人の受賞者がいるのに、韓国では…という論法が国民の士気を引き出すのには最適のようです。日本では他国と比較してライバル心を高揚させるということは一部は通用しても多数を動かす動機にはなりえません。その辺が大きな違いといえます。
 日本の教育界は、韓国のような国家的なエリート教育を実施するには不向きな環境にあります。有能な人材に資金を傾けることには不公平だという考えもあります。清貧な暮らしの中で偉業を成し遂げた人物には賛辞を惜しみませんが、実績のなかなかでない基礎研究に税金を投入することには積極的ではありません。
 ノーベル賞の数を競うことはあまり意味があるとは思えませんが、基礎的な研究や、世界に貢献する知の構築についてはもっと高い評価を与えてもいいのではないでしょうか。