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責任なき発言

  無責任な発言はその場の雰囲気を壊すだけではなく、自己の存在そのものを危うくします。それが特定の集団の意見とみなされた場合は、その害は集団の成員全体に及ぶこともあります。
  特定の民族に対するヘイト・スピーチは我が国の中で起きているゆゆしき事態です。憎悪の感情を持ち、それを発言することは自由であっても、組織的意図的に繰り返すとなると自由の範疇を逸脱します。

  さらにそう言う発言をする人の多くに愛国を掲げる場合があるのも問題です。大戦後、平和国家としての復興を達成し、表向きは軍隊を持たず、様々な紛争にも関与しなかった時間を保てたのは、国際社会がある意味克服できなかった問題を我が国が達成できていたことに対する評価です。差別の問題はその典型例でした。もちろん、詳細に調べれば我が国に差別問題がなかった時期などありません。しかし、国際的には目立つことがなかったのに、ヘイト・スピーチはそれを一気に顕在化し、世界中に拡散しています。我が国にとって極めて不利益な情報を発信続ける人々が愛国者であるはずがありません。

  街頭で憎悪をむき出しにする人はほんの僅かな人たちです。ただし、ネットというもう一つのしかもボーダレスの街での無責任な発言者はもう少し多いようです。彼らがもたらす国益阻害を考えなくてはなりません。