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はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

ささやかな大問題

  何かに悩むとそこから抜け出せないような気持ちに感じられる。これは知能と思考を持った人間の宿命なのでしょうか。心の中に意識された影があると、それは急速に拡大して全世界を覆ってしまったかのような気分になる。そこからは抜け出せないと考えます。そんな時は冷静になろうと努めます。
  隣の人は自分と違って悩んではいない。自分の悩みは思い込みであり、絶対の事実ではないんだと。あるいは時期がくればこの思いは消えていく所詮は一時のものだと。
  私はさらに自己の矮小化も試みます。宇宙の営みに比べれば己の存在は無に等しい。すべては宇宙の物理的な法則の中の現象に過ぎない。世界の中心は決してここにあるわけではない。私も世界を構成する一つの要素でそれはとても些細な部品なのだと。
  鳥になり神になり、様々な視点を設定することによって、私は心の中に差す闇の割合を小さくしようと試みます。分母を大きくして小さく見せかけるという作戦です。
  私を救うのは多くの場合、そうした虚しい行動ではなく、むしろそれらを通して得られる無力感であり、思考的な疲労感と言えます。つまり、考えることに疲れてしまうのです。疲れるまでの体力がないことが私を救ってきました。
  忘却や思考的麻痺という本来マイナス要素と思われるものは、人生の上では大事な能力の一つだったのではないでしょうか。これも現代では膨大な記憶力と検索力を持つデータベースのお節介によって脅かされているのが新たな問題なのです。
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