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バター不足が警告するもの

 朝日新聞によると国内で流通するバターが不足しつつあるということです。原因はかつて牛乳が過剰生産気味だったため2006年度から減産されたのに加え、高値で取引される飲用やチーズ用が優先されるため、バターの原料としての牛乳が足りないのです。加えて海外では新興国の需要が増えたことや、家畜飼料価格の上昇、豪州の旱魃などの悪因が重なり、価格が高騰してしまったのです。国内の小売店では品薄や売り切れが相次いでいるといいます。
 さて、中国の食品汚染疑惑や食肉の伝染病感染など食の安全性に関する不安が頻出しているのと、気候変動による穀物の不作など、食糧の確保に関する不安は尽きません。わが国の食糧自給率は2002年で40%に過ぎず、年々低下の傾向にあります。同年のアメリカの自給率は119%、山岳国スイスでも54%あります。日本の食糧政策がいかに脆弱かということを痛感します。
 かつて日本の農業に関する討論会がテレビで行われていた時、農家が税制上優遇されているとか、国産品保護のためという名目で高い農作物を消費者が買うのはおかしいという声が多数ありました。確かにそのとおりなのですが、このまま日本の農業をないがしろにしていくとどうなるか不安です。いくら金を積んでも食糧を売ってくれない時代が来るかもしれません。そもそも日本はすでに経済大国ではなくなりつつあるのですから。
 われわれは少しずつ高い買い物をしなければならなくなりそうです。自分の食べ物は自分で作るという切り替えを急がなくてはなりません。バターがなくても我慢ができるかもしれませんが、次は我慢できないものかもしれません