はてなの毎日

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モーリタニアのたこ

 スーパーで食品の買い物をしているとさまざまな国の名前が見られます。この前は安いアジの干物があったのでパックをひっくり返して表示を見てみるとフランス産という表示がありました。その隣にはオランダ産もあります。シシャモはノルウエー産です。水産物のような鮮度を大切にする食品でもかなり遠方から来ているのです。海老は東南アジア、鮭はロシアやアラスカ産が多いのはご存知でしょう。
 ところで、おそらく多くの方が一度はご覧になっているはずなのがモーリタニアのたこです。国産のたこに比べると値段が安く、私はつい買ってしまうことが多いのです。ところで、モーリタニアってどこだが分かりますか。私はインド洋かどこかの小島の国と思っていました。ところがそれは大間違い。正解はアフリカです。それも西アフリカです。グーグルマップでモーリタニアから東京までの距離を測ると、13,490kmもありはるかかなたです。実際は日本からの直行便はなく、パリ経由かドバイ経由になるとか。たこは遠い旅路をたどっていたのです。モーリタニアの内陸部は砂漠ですが、長い海岸線も持っており、たこ・いかなどの海産物に恵まれています。これを輸出して外貨を稼いでいるというのです。ただ2006年の一人当たりの国民総所得は760ドルで日本の2%にも及びません。そのためフランス、アメリカ、スペイン、日本、ドイツなどの援助を受けており、2005年には日本から1472万ドルの援助を受けています。
 最近、フードマイレージという考え方が普及し、地産地消を奨励する動きがありますが、モーリタニアのたこはその意味では著しい劣等生ということになるわけです。それにしてもこれほどの距離を移動しながらも、国産のたこより安いのどういうことなのでしょうか。