はてなの毎日

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特殊性を売りに

 自民党のポスターの文句、「地方こそ、成長の主役」というフレーズがどうも虚しく聞こえるのは私だけでしょうか。政府の政策はどう考えても中央集権的な文脈で進められており、地方は考えられていません。統一地方選での票集めの手段以外の目的が感じられないのです。

 政府や与党の批判をしていてもどうしようもない。地方経済、というより地域の共同体の維持はまさに焦眉の急の問題です。首都圏やいくつかの中核都市だけが繁栄すればいいと考える人は実は潜在的には多数を占めるのではないかと思っています。しかし、どう考えても各地域の発展なしには日本は立ちいかない。

 日本がこれまでの地位を保ってこられたのは一定の内需がいつもあったからにほかなりません。各地域に住む人がお互いにないものを欲し、それが相互に行われることによって経済の基板を守ってきました。いまはそれが海外との貿易でなされようとしています。でも、内需という保障を失えば、たちまち危険な賭けになる。アジアにも外需のみにたよる国家は多数ありますが、それらは不安定極まりない。国際相場に一喜一憂するギャンブルのような国家になってしまいます。日本の地域の発展はそれを防ぐ働きをしてきたのです。

 地域の発展を促すためには、東京にはないものをPRするのに限ると思います。東京の旅行者の本音はとにかく東京にない異郷性を見たいということにつきます。東京にあるものを真似て作ったとしても全く魅力がない。地域に根ざし、特殊に発展したものを知らせることこそ、地域の価値が見直されるきっかけだと思うのです。