はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

ある海の思い出

 海の思い出の中で唯一恐怖を伴っているのが小学生の頃のことです。両親に大洗海岸に連れて行ってもらい、海水浴場で遊びました。海は静かにうねっていて、後で考えるとかなり引き波がある状態だったようです。大人ならばなんでもない状態でも、小学生の私には程度を越していたようで、次第に沖合に流されていく感じがしました。それでも何とかなるとおもって浜に戻ろうとしたのですが、次第に足がつかなくなりあがいても進みません。

 おそらく怖くなって叫んだんだと思います。しかし、波はどんどん強くなるばかり、少しずつ沖に流されていく感じがしました。どうしようかと思っているうちに顔を出すのもやっとになっていきました。大変だと思えば思うほど焦ります。

 結局、その時は近くを泳いでいた若者に助けてもらったのです。その時は生きて帰れたということばかりを考えて、そのお兄さんの顔も見ず、感謝の言葉も十分に言えなかったと覚えています。

 海にはいい思い出がたくさんあって人生を彩ってきたのですが、この時の恐怖はいまでもかなり鮮明に覚えており、定期的にひやりとした気持ちにさせます。

杞憂の科学

 最近また話題になっているのがオリオン座の赤い星、ベテルギウス超新星爆発です。地球からの距離が約640光年と宇宙の中では比較的近くにある星ということで、爆発の影響は大きいともいわれています。その爆発が明日あるかもしれないというのです。ただし、明日あってもおかしくないということであり、もしかしたら数百年後かもしれないというから天文学の話は人間の尺度を超えています。いずれにしても、地球で確認した時点で本当の爆発はその640年間ほど前にすでに起きていることになるわけですが。

 中国の故事に空が落ちてくることを憂慮した男のことを嘲笑する杞憂というものがありますが、まさに杞憂を科学する人たちがいるのです。爆発の際にもたらされる閃光は昼でも見える明るさになり数か月の間輝き続けるとか、生命に危機をもたらすガンマ線の飛来は避けられそうだとか、いろいろな説があります。

 私たちは自分の知りうる因果関係の中で生きていたいという願望を持っています。因果応報の論理があずかり知らぬ宇宙の果てからやってくるものと知った時、無力感にとらわれてしまうのはどうしようもありません。そこでまた再び、今を生きることのみに集中するという考え方に戻るのです。これは永遠の繰り返しなのかもしれません。

質問

 講演などの後に質疑応答の時間があることがあります。その際に誰も手を挙げず白けた感じになることはよくあることです。講演の内容がつまらなくて本当に質問することがない場合もありますが、多くの場合は質問することを躊躇してしまうことが多いものです。

 私もこれまでは質問できない側だったのですが、最近は臆面もなく手を挙げることが増えました。大体、ピント外れなものが多く、講演者はあきれ顔で応対してくれます。それでもそれがきっかけで他の質問がでることも多く、雰囲気づくりくらいの役割は果たせるのではないかと思っています。

 言葉にすることによって理解が深まることが多いので、質問することは自分のためには必要なことではないかと思っています。これを生徒諸君にも伝えていきたいと思っています。

自己卑下

 不二越の社長が富山出身者は会社の幹部として相応しくないという意味の発言をしたということです。報道のされ方にバイアスがある可能性も考えなくてはなりませんが、明らかに不適切な発言であり、波紋を呼ぶことになりそうです。不二越は富山で生まれた会社であり、富山の出身者が今の形を築いたのです。

 不見識なトップの談話として片づけられないのは、この富山という語を日本と置き換えて使っている人が散見されることです。根拠のない自己卑下はこの国の伝統なのかもしれません。

教育用タブレット

 教育現場にタブレットを持ち込むことには個人的には抵抗はなくなりつつあります。ただし、教材として使うにはまだ未完成であり、現状では使わなくてもいいという意見です。今回はハードとしての課題を考えます。

 まず、画面の大きさと解像度の問題があります。子どもに持たせる機械ですから小さくても構わないというのは間違いです。むしろできれば紙のノートを広げた面積以上が望ましい。あくまでも作業をするためのタブレットでなくては意味がありません。そこにスタイラスペンなどで入力しても解読可能な解像度も欠かせません。理想をいえばかつてソニーが出していた折りたたみ可能なものがあれば、鞄にも入れやすくなります。耐久性の問題が克服されなくてはなりませんが。

 次に堅牢性とバッテリーの持久力の問題があります。生徒は機材を机から落としてしまうことがあります。多少の衝撃に耐える構造は必須条件です。電源確保も教室では大問題であり、少なくとも生徒の滞在時間以上の電池の持ちはあってほしい。また汎用性の高いアダプター、もしくはQiのような配線不要の給電システムがあればなおよいと思います。

 現在ではiPadAndroidで動く有名なブランドのタブレットが導入される事例が多いようです。ただし、教育用に特化したものはまだ満足いくものが出ていないようです。このあたりに現場は注目しています。

末期の大雨

 関東地方は中断したままの梅雨ですが、前線が明らかに残っているため、まだ次の季節には進めないようです。この時期は大雨が降りやすく、既に九州北部では甚大な被害が発生しています。

 今日もかなり暑い日になりそうです。心配なのは午後からの局地的豪雨です。明日まではその可能性が高いとのこと。雨雲レーダーサイトの活躍するときが来ました。

うえからめせん

 物事の全体像を把握しようとするメタ思考は私たちにとっては本来的な欲求といえます。グーグルマップのようなバードビュー機能に初めて接した時の感動は忘れられません。最近はドローンを飛ばして思うがままの映像を楽しもうという動きもあります。

 物理的な映像はかくして身近なものになりつつありますが、目に見えないものの全体像を把握するのは大変です。その方法すら分からないことが多いのです。ただ、日々の仕事に追われて近視眼的な思考に落ち込んでいるとき、うえからめせんは大切だと思います。

 心のドローンを飛ばすにはある程度の余裕と勇気がいるのかもしれません。また遊び心も欠かせないのかもしれません。