はてなの毎日

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国立競技場の思い出

 先日、国立競技場の解体作業がほぼ完了したとのニュースがありました。幾多のスポーツやエンターテーメントの舞台となった聖地が、来たるべきオリンピックのために生まれ変わろうとしています。

 私の競技場の思い出といえば、東京国際マラソンの発着点として様々な選手のゴールを観てきたことでしょう。谷口浩美選手の少し首を傾けて走る姿や、ジュマ・イカンガー選手の飛び出しなどが記憶に残っています。

 天皇杯決勝の地としても有名ですが、私が直接観戦したのは2002年の京都パープルサンガ鹿島アントラーズに勝った試合だけでした。そういえばJリーグ発足前の日本リーグも観戦したことがありますが、ほとんど空席にみえる国立のスタジアムにのべつ幕なしにラッパの音だけが鳴り響き、点数が入らない虚しい試合でした。これが後にプロ化するとは思いもよりませんでした。

 そしてこの競技場一番の思い出は、私自身が出場したことです。200メートル走の選手して走ったのです。といっても私自身は陸上選手でもなんでもありません。渋谷区民ならばご存知でしょうが、区内の中学校の合同体育大会のようなものがあって、そこで走ったのです。私が通っていた中学校は渋谷区の中でも最も規模が小さく、選手はホームルームの時間に立候補制で決まりました。誰も手を挙げない200メートルに出ることになったのです。この無謀な選手ぎめのおかげで、私は国立競技場を競技として走った選手の一人になれました。

 競技場はオリンピックのために再建されます。国の意地もあるとは思いますが、短期的な施設ではなくおそらくまた50年以上にわたって様々な舞台になるのでしょうから、持続可能で使いやすい施設にしてほしいと思います。