はてなの毎日

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世代差か貧富の差か

 大阪都構想住民投票で反対派が上回りました。高齢者の反対への投票が多かったとの速報が出ています。また北部地域が賛成派が多かったのに対して南部地域に反対票が多く投じられたとも報じられています。この面のみを取り出して、高齢者と経済的弱者の勝利だという極端な言説も見られます。僅差であったゆえにそれが強調されてもいるようです。

 橋下市長の政策は効率化や合理化という側面が強調され、住民の福祉という点においては思い切った切り詰めを要求する印象があります。また、一部の人々を特権の濫用者といって過度に糾弾したり、補助金の支給でコントロールしようとしたりするなどの高圧的な印象が見られました。事実はあくまで調査してみなければわかりませんが、傍目からの印象では自分に都合よく敵をあぶり出す権力者によくある手法の連続のように感じました。

 橋下氏の発想の根本が会社経営のような、効率的なものは拡張して、生産性の悪いものは切り捨てるという考え方であったため、当初は注目されましたが、結局は地方自治体の政治家には向いていなかったということになるのではないでしょうか。非効率的であっても、それまでの地域の伝統や文化、生活の基盤となる生活習慣を築き上げてきた既存のシステムに対しての敬意がなさすぎたのです。次に切り詰められるのは自分ではないかと思う住民は、人生経験の多い高齢者から生まれてくるの自然な成り行きでしょう。人心をつかめなかったということになります。

 高齢化社会が進行中の日本において、制度改革は不可避のことであることは私も認めるところです。高齢者が適度に経済活動に参加し、お金を回すことによって若い世代にも利益を生み出す仕組みにしなければならないと思います。橋下さんは政治家をやめるということですが、この点をお考えになって言論活動をなさってほしいと思います。