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環境問題の基準

 ドイツのフォルクスワーゲン社が自社製の自動車の排ガス量に関して不正な報告を行っていたとの疑惑が持たれています。アメリカの告発によるもので、VW社ではトップの交代などが起きています。それだけではなく欧州経済全般への波及も免れないとの見方もあります。そうでなくても不安定要因が多い欧州へ新たな不安材料が増えたことになります。

 今回の問題が環境問題対策を国策として掲げるドイツの企業から発したものであることは大変残念なことでした。それとともにコンピュータの不正な操作によって環境基準を通過するという手段が容易にまかり通るものであることも明かしてしまったことが重大だと思います。環境基準に関してはその対象とする世界があまりにも大きいため、常に曖昧さが不可避です。どこまで環境にやさしく、何を超えると環境負荷になるのかについても実は諸説あって定まりません。そこに折り合いをつけたのが、各業界で定める基準です。それがこのように操作されてしまうと、この問題への対策はより一層曖昧模糊たるものになっていきます。

 日本もまた環境問題に関しては積極的な発言をしている国の一つです。ハイブリッド車燃料電池車などの開発にも力を入れているようです。しかし、よく考えてみれば製造から廃車に至るまでの一連の流れの中で、どれだけ環境への対策がなされているのかについては一般人は全くわかりません。新技術についてはきっと良い物に違いないと信じているのに過ぎないのだと思います。

 私のような門外漢ができることといえば、企業の環境対策に対する試みについて関心を取り続けること、分かりやすく実質的なレポートを定期的に受ける権利を捨てないことしかないのかもしれません。