はてなの毎日

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大学で学ぶこと

 センター試験が行われています。この形で行われるのは来年までということで、一部の人から旧弊のように扱われている試験ですが、いろいろな問題点を抱えつつも試験自体は意義のあるものだと思います。この試験の目的は大学入学者選抜です。大学生ならばこのくらいの水準の学習はしておいてほしいという思いが提示されているということです。

 再来年度からの共通テストを見る限りでは、実用度の高い知識を国が求めようとしていることが分かります。単なる知識の丸暗記ではなく、自分で深く考えて物事を判断する力を見たいようです。ただ、その思いと実際の試験との間にはかなりの溝があり、当面は受験生諸君は新テスト対応に追われることなりそうです。

 どんな試験が課されたとしても、目的は大学に入学することであることは変わりないはず。大学に入るのはそこで学問をし、様々な経験を積むことにあるはずです。特定の大学に入学したら将来が約束されるという時代はかなり前に終わっています。大学で何をしたのかが問われています。偏差値の高い大学に向けて学習するのは、そういう大学の方が志の高い学生が集まるからです。

 大学で学んだことが正当に評価できない大人もいることは確かです。現在、人事権を握る世代の多くは学歴社会の権化ですが、大学で学んだことを軽く見る人が多いのは事実です。しかし、一流の人の話や著作を読むとやはり大学でいろいろなことを学習し、経験を積んでいる。そしてそういう人が時代の開拓者になっているのです。

 大学で何を学ぶかは人生全般にかかわる大事であることを、もと大学生としては多分に後悔の念を込めて若い世代に言っておきたいと思うのです。