はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

言いさし

 生徒の作文を読んでいてこの頃特に目立つのは文を最後まで言い切らず、体言止めにすることです。たとえば、

 主人公のあの時の言葉に感動。心に残る場面でした。

 のような表現です。一度だけなら表現効果を狙ったものということも可能ですが、文中に何度も使われると文章力を疑いたくなります。言いさしの形は曖昧さを伴いますので、意見文を書くときには避けるべきでしょう。

 どうしてこのような表現が多いのかと考えるに、生徒諸君が接している文章にそのようなものが多いという原因があります。小説や軽い読み物、雑誌の記事などは体言止めの連続です。限られた字数に収められた文章は述語が自明の場合省略する傾向にあります。

 国語の問題にも原因があるかも知れません。どのようなことですか、という問いには「ということ。」と答えさせるように教えますが、本当ならそのあとに「である」が必要なはずです。

 言いさし問題をどう指導しようか迷っています。