はてなの毎日

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地産地消

 原油価格の高騰に、世界同時株安と経済的な不安が噴出しているこのころですが、そんな中で感謝していることがあります。それは近くのスーパーで安い野菜を手に入れることができるしくみがあることです。そのスーパーはちょっとした高級志向があって、比較的高めの値段設定がなされています。刺身の小さなパックが1,000円以上するのを見て、誰がそんなものを買うのかと思うのですが、いつも並べられているところを見るとやはり買う人がいるのでしょう。

 そんなスーパーの一角にJA甘楽富岡の直販コーナーがあります。ここで売られている野菜は他の産地のものより安く、品質も劣らないので大変助かっています。ただ、入荷量はさほど多くないのと、種類が限られているのでいつでも使えるわけではありません。また、最近、東京都産や神奈川県産という野菜も多く売られるようになりました。物によっては少々値段が高めの設定になっていることもあるのですが、品物はよさそうです。

 先日、「フード・マイレージ」という本を読みました。これは日本の食糧がいかに遠くから搬送されているかを、産品の質量と輸送距離を乗算したトン・キロメートルなる単位で表される数値で論証したものです。わが国の食料は海外から供給されるものが多く、フードマイレージの高い国なのです。搬送の際には多くのエネルギーを消費します。その結果、温室効果ガスの排出も相当な量になります。また産物を買うということはそれを育てるのにかかる水資源を消費することにもつながります。歴史的な大干ばつで苦しむオーストラリアから、わが国は多くの食料を輸入していますが、水の足りない国から結果的に大量の水を買い取っていることになります。

 地球環境を考えることが私たちの不可避の問題ですが、そのためには食料の地産地消をすすめなくてはなりません。経済的な問題点をかかえる現在こそ、このことを考え直すいい機会ではないでしょうか。地元の農業を支援することは、地元で取れる農産物を安心して食べられるような環境保全を意識することに直結します。国際情勢や経済状況に左右されにくい食糧自給システムを作っていく必要があると思うのです。

フード・マイレージ