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カエルを守ろう

 昨年、上野動物園に行った時、園内の通路に「カエルを守ろう」というポスターが貼られていたのを覚えています。それ以上の説明がないのでこれを見た人の中には、いったいどのカエルを守れといっているの、カエルはいっぱいいるのに、と言っている人もいました。確かに専門家以外には分かりにくいポスターでした。昨年、カエルツボカビが国内で発見されたというニュースが流れました。これは両棲類に感染する毒性の強い細菌で、国内にはもともとないため爆発的な感染の可能性があるとされていました。最悪の場合、特定の種に壊滅的な打撃を及ぼすとも言われています。
 今年になってさらにそれとは別のラナウイルスという細菌が見つかったそうです。すでに国内に感染例があるらしく大量のカエルが死んでいるとのことです。
 麻布大学のWebサイトによれば、このラナウイルスは両棲類のほか魚類や爬虫類にも感染するイリドウイルスの一種で、これまで両棲類の国内感染例はなかったとのことです。すでにアメリカやヨーロッパでは多数の感染例があり、今回の国内での報告が事実とすれば世界的な広がりを見せていることになります。
 今のところ人類へは感染しないようですが、種の多様性を維持するという観点から考えれば、この異常発生は危惧すべき問題といえそうです。あくまで推測ですが、おそらく輸入された動物などから感染することが多いと思われます。国外の野生動物を輸入するのは極力避けるべきだと思います。また飼育する方には細菌感染の危険性を含めて、十分な責任を取ってもらいたいと思います。
 富山にいたころ、田に水を引くと湧き出てくるようにあらわれるカエルたちがいなくなることがないよう、関係各位にはご注意をお願いしたいと思います。