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コンシェルジュがデパートを救う

 長引きそうな不景気の中で、百貨店業界は特に深刻な状況にあります。ライバルのスーパーマーケットもコンビニエンスストアとの競争で値下げの連発。消費者として短期的にみれば安くなるのは大歓迎ですが、デフレが深刻化すれば、日本経済は再び失われることになります。
 百貨店がその存在価値を保つためには、価格競争や品揃えの数という方面に注力すべきではないでしょう。それでは絶対に負けます。
 先日、何かの調査でなぜデパートに行かないのかという質問があり、興味深い結果がありました。値段が高いなどの理由に加えて、うるさい店員がいるからと答えた人が多かったことです。つまり、接客に対する不満が不人気の一因であることになります。
 家電量販店の中には、客への声かけをしないことをセールス方針としていることを公言しているところがあります。客が遠慮なく品定めができることを重視しているのです。しかし、量販店の店員に製品についての質問をしても値引き交渉以外の方面では意外にも知識が乏しく、カタログ以上の情報は得られないことが多いことも事実です。
 デパートに勝ち目があるとしたら、きめ細かい接客サービスではないでしょうか。これまでの押し付け的なサービスでは意味がありません。顧客の性格や目的、行動にあわせたサービスができること、一つの売り場でものを売るだけの店員ではなく、売り場を越えて顧客のニーズに応える能力のある店員が求められるでしょう。いくつかの百貨店が始めたコンシェルジュ・サービスはこれが機能すれば新たな展開が見られると思います。高くても確かなものを、そしてあわせて使うものまで配慮した買い方をしたいと思う人はいるはず。大量消費時代の終わりにはそれにふさわしい小売りのあり方が求められると思うのです。