呟きの表面化

　私のこのブログも含めて、以前ならば絶対公にしなかった未整理の感情をたやすく人に示してしまう機会が増えています。自分のなかではこれはまだ作成段階のものであり、完成した思考ではないといいわけをしていても、いったん文字になってしまえば個人の意思として捉えられていきます。
　呟きの中にはさまざまな可能性があるのは事実です。私などもいろいろと書きなぐってから、時間をおいてそれを見返して自分の考えをあとで納得したりすることも多々あります。自分自身のことを自分が分かっていないというのは矛盾するようですが事実なのです。
　呟きを表面化することによって、思考が深められるならばそれは有効な手段と言えるでしょう。ただそれを見ず知らずの人にさらけだしてしまうことには、何か別の理由を考えなくてはなりません。自己顕示欲というのでは大まか過ぎます。未整理の自分を見てほしいと思う気持ちは、もしかしたら生の自分を認めてほしいという気持ちの表れなのかもしれません。
　しかし、しばしば他人は自分の思い通りには振舞ってくれず、自分の発言は曲解され思わぬ方向に展開していきます。つぶやきの文化はまだ始まったばかり。これからどうなっていくのでしょうか。