はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

哀愁

 あるバンドのコンサートにいってきました。今年で40周年を迎える人気バンドです。彼らの歌は変幻自在でありながら、他には置換えができない一本の筋があります。それは何と行ったらいいのでしょうか。世界の民謡がそのなかにさまざまな楽曲を持ちながら、それぞれに独特の音階があるように、はっきりと感じられるのです。

 彼らの歌を聴いていて思うのは、流行の流れに身を任せながらも、自分を守り続けてきた内的な強さとそれ故に漂う哀愁です。生きることはそう容易ではない。でも、それを考えずにとにかく継続することに全力を注ぎ込んでいる姿は、たくましくもありけなげでもあり、そして何よりも勇気を与えてくれます。

 アーティストは自分の人生を売り物にできる職業であり、それを他者が感動をもって受容することが可能です。しかし、おそらく芸能人とは無関係の私たちのすべての人生も、その生き様という点において人に何かを訴えることができるものを内包していると思うのです。

 私はいま、このあとの人生において何を残せるのかということに不安を抱いています。少し前に考えていた後世に残る研究成果を残そうとか、人に記憶される作品を書こうとかいった夢は、その実現のためのカウントダウンが始まってしまいました。それができるのかどうかは怪しくなってしまいましたが、せめて自分の生き方が他人に何かを感じさせるような毎日を送っていこうと考えています。