はてなの毎日

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軍師官兵衛展

 両国の江戸東京博物館で開催中の「軍師官兵衛展」に行ってきました。平日の昼下がりということもあって、ほどほどの観覧者であり、ゆっくりと観ることができました。

 私の興味はもっぱら書簡にありました。数多くの書簡が展示されていましたが、官兵衛をはじめとして歴史上の人々が発した言葉を直接感じることができることに少なからぬ感動を覚えました。

 黒田官兵衛の生涯を軸とした展示であったのですが、そこから感じられるのは戦国の世に翻弄された人の生き様でした。時勢に応じて一喜一憂し、その都度人生の方針を変えていく姿は、決して格好がいいものではありません。しかし、そういう困難を乗り越えられたからこそ、後世の繁栄があったのだと思います。官兵衛の辞世の歌は、

 おもひおく言の葉なくてつひにゆくみちはまよはじなるにまかせて

であったようです。解説では十分に乱世を生き抜いた上の達観の辞ということですが、私には来世こそは迷いのない生き方をしたいという願望に読めてしまうのです。官兵衛の見た夢が何なのか。そして私達の生き方がそれとどのように関わるのかについて考えさせられる展示でした。