夢の売買
夢を買うという話が古典作品にあります。他人が見た大出世するという夢を買い取って自分のものにしてしまうと、後にそれが現実のものになるという不思議な話です。
夢とははかないものと考えられていますが、未来の先触れとも考えられていたのかもしれません。夢のお告げという言葉は死語ではないと思います。
他人が見た夢も買い取ることによってその効果まで自分のものにできるということは、おそらく売買によって所有権をはっきりさせることが大事だという訳です。自分の夢であることが自覚できればいいのでしょう。
最近、バーチャルな世界で自己実現をしているかのように考えている人たちはこの効果を感じているのでしょうか。他人の作った夢を買い取って自分のものにできるかのように考えているのです。私自身にもそのような面が多分にあります。
夢買いの話を笑い飛ばせない寂しさを感じているのです。