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協働指導力

 新学習指導要領が施行されれば生徒に協働学習能力が求められるようになります。他人と協力して未知の難問に取り組むのに必要な諸能力を若いころから鍛えておくことが必要と考えられたのです。しかし、それを教える側にその力が欠けているのが現状では大きな問題になっているのではないでしょうか。

 協働学習を進める上で有効な指導法がアクティブラーニング(以下AL)だとされています。これはある課題を生徒の協働的な活動を通して解決させるトレーニング方法です。トレーニングである以上、時間がかかり、しかも生徒間に達成度の差がでることも多くなります。評価の仕方が難しいのもこの指導法の特徴です。また、何かを教えたことを短中期的に記憶させ、そのアウトプット力を問う従来の試験方法と比べると効果が測定しにくく、実効性が発揮されるのに時間がかかります。

 問題なのがALなるものの定義が非常にあいまいで、生徒に何か作業をさせることがそのままALであるとも誤解されているのではないでしょうか。目的をもった学習活動であるはずなのに、とにかく話し合ったり、机を島型に組んで何かをさせればそれでよいと考えてしまうのです。たとえて言えば、つべこべ言わずとにかく走れとか、筋肉を鍛えるためにとにかく腕立て伏せだというようなものです。教える側も学習者もそれが何の役に立ち、何のためにやるのかを少しでも把握していなければ効果は半減してしまいます。

 こういうことを指導するには教師個人の指導準備ではままなりません。教員が知恵を出し合い、よりよい指導方法を常に考えなくてはならないのです。ところが、こういう新しい指導法に関して協働的な指導をしようと考える教員は非常に少ない。またしようと思っても日々の業務に追われなかなかできないという現状にあります。試されているのはまず教員側のコラボレーティブアクションです。