はてなの毎日

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殺人の連鎖を止めよ

 このところ無差別殺人が相次いでいます。うらみも何もない全くの他人を死に至らしめる殺人は、いかなる理由があろうとも許されるものではありません。気になるのは、無差別殺人は連鎖的に起きるという専門家の意見です。今後も同様の事件が起こる可能性があるということは私たちにとって大きな恐怖です。
 もちろん、全く普通の状態の人が突如人格が変わり殺人鬼に変身するということはありえません。何らかの形でストレスをため、そのやり場をなくした人物が時に犯行という形でそれを解消しようとするのでしょう。それなら、多くの人が思うことは、殺人以外に何か方法はなかったのかということでしょう。
 かつては地域の青年団などのつながりの中で、個々人の悩みや不満はある程度解消されていたと思います。訳知りの兄貴や姉御が受け止めてくれました。家庭の人数が多かった時には、そのうちの誰かが聞き役になったものです。ところが今は地域的な連帯はなく、家庭も寂しい状態です。インターネットで悩み相談をしても、それは大衆の中の一人として扱われるにすぎず、本当に自分のことを考えてくれる人には巡り会えません。悩みや不満、ストレスのはけ口はどこにもないのです。
 無差別殺人の犯人、犯行前の人物像は報道によると決して性格破綻者ではありません。むしろ、まじめに生きようとしてそれが果たせず挫折した人たちが多いようです。彼らを救う手立てはなかったのか。それこそ考えなければならない課題でしょう。
 家庭が機能を発揮できない今、学校、職場とは別の次元で付き合える場が必要になってきます。もうすぐ各地域で盆踊りなどの行事がありますが、そうした行事に市民が主催者としてもっと積極的に参加できるような仕組みが必要でしょう。趣味のサークルももっと充実していい。営利目的から独立した地域の連帯、人と人とのつながりが、孤独な人間を減らすことにつながるはずです。