はてなの毎日

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表現者の魅力

 俳優のお話を間近で聞く機会を得ました。演劇をなさっているその方の話はとても魅力的で様々なことを学びました。

 その方は元宝塚歌劇団で、その後は別の劇団に属し女優としてご活躍の傍ら、中高生に演劇の魅力を広める活動をなさっておられます。お話を伺っていると、表現者がどのように感じ何を大切にされているのかが分かりました。

 例えば演技の指導において、個人の個性を引き出すことの大切さを強調しておられました。演技の基本を大切にするのはそれとして、もし期待するような演技が出来ない役者がいたとしても、それを矯正することだけを考えてはいけないというのです。本人の個性から遠い演技をさせたとしても、それは必ずしも観客の心に届くものにはならない。むしろ拙いと思われるものでも、その個性を強調することによって、自然かつ印象的な演技になるというのです。言われてみれば当然のことなのですが、とても大切なことだと思います。

 教員の仕事もそれによく似たところがあります。ただし、今のシステムでは、どうしてもある既定の解答にいかに近づけるかということばかりに注意が向かい、あまたある生徒の可能性について配慮ができていません。個性を活かし伸ばすということが、本人のやる気を引き出し、発展の機会を与えるということを考えなくてはならないと痛感しました。

 表現することを仕事にしている方の物事の考え方は大変魅力的で、私にとっては様々なヒントを与えてもらった気がします。