はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

知のブラックボックス化

  結論だけを求める社会の風潮はさらにその度合いを深めています。どうしてそのような結果がもたらされるのかを理解できないまま、それが当然であるかのように考えてしまってそれ以上の思考を停止してしまう。速く答えが出ることだけを重んじて、その意味を考えようとしないのです。
  教育の世界においても単なる知識の詰め込みは、言ってみれば過去の結果の無批判の受容です。最近、この反省からICTを使った情報活用力へシフトする動きがありますが、これとても既存の知識を吟味することなく組み合わせる方面に流れる恐れがあります。
 何が途中にあったか分からないが、とにかく出てきた結果が大切だと考える知のブラックボックス化は、考えるというとても面倒な作業を省略することによって生まれます。社会の流動化が進むとさらに促進され、一体何がきっかけだったのかわからなくなってしまうのです。
  効率化を捨ててもあえて立ち止まる思考の時間を確保することこそ、いま大切なことなのではないでしょうか。