はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

記憶のバランス

  楽しい思い出を人為的に蘇らせるという記憶の操作が動物実験の段階で成功したらしいとの報道がありました。記憶を司る脳細胞に光などの刺激を与えることによってよい思い出を発生させるのだそうです。この方法で鬱病患者の症状を低減することが期待されています。
  脳が細胞の集積であり、一定の刺激によって反応することはよく知られており、私自身も納得する場面に立ち会う機会がありました。ただ、それが記憶の操作という段階となると、やはり様々な懸念が生まれます。
  漠然と思うのは記憶のバランスが崩れはしないかと思うのです。記憶は時間の固定的な記録ということだけではなく、意識的、無意識的に忘却するという現象も含まれているのではないでしょうか。もしそうならば人為的な操作が記憶の世界の秩序を壊してしまわないか心配になるのです。
  オカルト的な空想と笑っていただいて構わないのですが、実はかなり真剣に心配しているのです。