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ホンビノス貝

 最近、スーパーの店頭でもよく見かけるようになったのがホンビノス貝です。どうも外来種らしく、その種の多くは排除されるべき嫌われものになるのですが、この貝の場合は事情が異なるようです。

 名前の中にあるビノスはビーナスのことで、この貝の属名(現在は分類が変わっているとこのこと)であるビーナス属に由来するとのこと。在来種のビノスガイに対して、外来種のものを本ビノスと名づけたようです。この貝は北米では貴重な海産物に位置づけられており、これを使った料理も多数あります。

 外来種であるのに嫌われないのは味がいいからだとか。ハマグリとアサリの中間的な食感を持ちながら、価格はアサリよりもはるかに安い。東京湾でしか捕れないらしく、私がスーパーで見たのも千葉県産でした。水質の悪化にも強く、アサリが減産する年でもホンビノス貝の漁獲量は維持できるとか。アサリとは棲息域が多少異なることもこの貝を悪役の座につけることがない原因になっています。

 ムール貝と呼ばれるムラサキイガイもそうですが、外国から入って住み着いた貝の中にはあらたな食材となっているものもあるようです。ホンビノスという不思議な名前はどこか南国の感じがしますが、今回調べて見て実に和洋折衷の名前であり、また実際の食材としても意外な位置にあるのだと分かりました。