文化

　文化の日になると思うのは文化とは何かということです。この日はもともと明治天皇の天長節であり、日本国憲法の公布の日であったということで、文化の日となるには政治的な理由があったようなのですが、いまとなってはそのいきさつはどうでもいい気がします。

　文化という概念が民族と結びついているということに注意したいと思います。異文化交流などという場合の文化はそれぞれの民族がもつものの考え方や、行動様式などを指すと考えた方がよさそうです。それぞれの集団が独自の価値観を持ち、その規範の中で生活をしている、その枠組みをなすのが文化なのだということなのです。国際レベルでなくても、例えば一つ山を越えた町とは異なった文化を持っていることが多く、ちょっとした違いでもそれが個々の場面においては越え難い差であったりします。

　文化とは自分とは違う集団と遭遇した時に感じるものであり、一度知ってしまうと自分らしさそのものと深く関係する何かなのです。文化を考える時、それは結局は自分の所属する集団を考えているのであり、その集団の他集団との関係性を考えていることになります。自分は何者なのかというといかけと文化の話は切り離せません。