はてなの毎日

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セルフレジ

 先日、レンタルビデオ店に行って借りたいDVDを窓口に持っていくと、二人いた店員のうちの一人に次のように言われました。「当店は延長手続き以外はセルフレジで行っていただくことになっています」と。

 当時は客数も少なく、レジには私一人でした。でも店員は店の方針を伝えるように指示されているらしく、私をセルフレジの機械の前に連れていき、操作の仕方を一つずつ教えてくれました。DVDのパッケージについているバーコードの読み取りがうまくいかないと、「少し離して(光を)当てていただくとうまくいきます」というアドバイスをくれ、作業が終わると「ここに持ち出し用の袋があります」といってその場所を指さします。私は要領が悪く少々時間がかかりましたが、ずっと付き添ってくれました。

 全くセルフではなかった私の会計ですが、彼女は私への手当てが終わるとレジ奥に戻っていき、また「いらっしゃませ」係に戻ってしまいました。店員の数を減らし、人件費を切った方が経営的にはうまくいくのでしょう。私はセルフレジのやり方を当面は覚えましたので次に借りるときはもう店員に声をかけることはありません。「いらっしゃいませ」係のお姉さんはイレギュラーな取引の対処のみに登場し、あとは客が勝手にやればいいということになります。

 技術が進歩すればバーコードリーダーに慌てることもなくなるかもしれない。客はビデオで監視され、顔認証か何かで特定され、棚から商品を取り出した時点でレンタル商品が記録され、店を出た瞬間に契約が結ばれ、返却場所に戻した時点で清算がされるといった全自動型の方法も理論的には可能でしょう。

 ネット配信が第5世代の通信技術ではより短時間で簡単になると言われています。すると実物のDVDメディアをやり取りすること自体がこの先消滅する可能性は高いともい言えますので、この想像の行きつく先はまだありそうです。書店が徐々に消えていく傾向にある中で、ディスプレイや推薦文の掲示がうまい本屋や、検索不可能な本の推薦をしてくれる書店に根強い人気があるとか。効率重視で何もかも機械任せにできる業態はやがて消えゆくのではないかと危惧するのです。