総選挙の功罪

  アイドルの人気投票が話題になっていましたが、あくまで同じ社中の中での順位を決めるだけのことにこれだけマスコミが取り上げるのはまさに効率的な商法といえます。投票権がCDの売り上げと連動しており、何票でも投じられることなどおよそ選挙とは遠いものであり、それでも一見そう見えてしまうことなど実によくできています。洒落として楽しむべきだと思っていますが、毎回話題になるたびに少し心配になることがあります。

  アイドルがグループ活動をしている限りにおいて、そのメンバーは役割分担をしているのであり、決して対等な役目を負った個人の集まりではないのです。恐らく当事者たちはこのことを心得ており、人気投票を盛り上げることによって、結局グループの利益に結びつくと考えていると思います。だから、下位にランクされても次は頑張りますと笑っていられるのです。

  しかし、いわゆる選挙と同一視してしまう我々にとっては人気投票は一大事であり、特定のアイドルの命運がかかっているとまで考えます。贔屓のために何枚もの投票権を買い、そのために散財するのはそんな心理が反映されているのかもしれません。

  私はグループにおける個人の過大評価が誤解して伝わっていないかを少々危惧しています。洒落でやっていることでもいつか本気に捉えられ、曲解されて事実が分からなくなる。そんなことがないようにと思うのです。