はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

やよ励めよ

  仰げば尊しは卒業式の定番です。大抵の場合、一番と三番の歌詞が歌われ二番は省略されます。その理由は、この番が卒業生を送る側の、つまり教員側の立場で作られているからでしょう。
  さらに歌詞の中に、「身を立て名を上げやよ励めよ」とあるのが、立身出世を直言しているからだという説もあります。立身出世自体は人生の目標としておかしくはないのですが、恐らくは国家に対する滅私奉公のイメージが感じ取れるのが問題視されるのでしょう。
  ただ、現在この歌詞をその意味で取る人は極めて少ないのではないでしょうか。身を立て名を上げることが、あくまで私利私欲のみにとどまるのではなく、他人のために働くことならば、大いに推奨すべきことになります。国のためというと国粋主義との混同の危険性がありますが、民族や国家を超えた他者を利する行動を勧めるものであれば、卒業生に贈る言葉として相応しいのかもしれません。
  実は卒業生に歌って聞かせようかと考えているところなのです。