はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

死を演じること

  この季節になると私は生徒のクラブ活動の引率が続きます。芝居の心得のない私ですが、何年も顧問と呼ばれているうちに偉そうなことをいいたくもなってくるから不思議なものです。
  先日、中学生の劇を見させていただいてつくづく死を演じることは難しいと思いました。人の死は死んだその人の演技もさることながら、その周囲の人の行動こそが演技の要諦であると痛感しました。
  死の悲しみは普遍的な感情という核はありながら、その多くは死んだ人との関係性を表すものと言えます。身内のとりわけ親しい家族との別れは辛く、血縁がなくても関係が濃ければ濃いほど悲しみは激しいものになります。
  舞台でそれを模する時にはその辺りを演じ分けなくては死がのっぺりとした出来事にしか見えないのです。
  中高生が死を演じる時にはその意味を十分に考えなくてはならないと思います。