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韓国は国定教科書に

 韓国では教科書を国定化することになったようです。金大中政権下で検定制になった教科書を再び国定教科書に戻すとのことです。現行の教科書が北朝鮮や日本に対して寛容な立場をとるものが多いための策らしいのですが、韓国の一部では「安倍教科書」などと揶揄する人もいるとか。もはや日本を非難できないという声もあるようです。歴史修正主義として日本政府を非難していた韓国が、それ以上に実は自身が右傾化していることを内外に示した格好になりました。

 韓国の内情については私の理解を超えていますが、教育に政治が介入しすぎることによる弊害について語ることは許されていると思います。教育がその時代の政府の意向に沿ったものになることにはさまざまな弊害が伴います。我が国ではさすがに教科書の国定化までは行われる可能性は今のところありません。言論の自由や教育の独立の概念が、おそらく不完全ではありますが我が国にはあるからです。

 ただ、韓国の事例は決して対岸の問題ではありません。最近、日本でも政治家が教育に対して批判的な発言をすることが多く、その中には学校教育の自由に関して大幅な制限を加えたり、企業の論理で教育を考えたりする人も多数います。教科書の国定化、もしくは検定条件の偏向といったことは我が国でも起きつつあり、現在進行形であるともいえます。

 教科書という教育にとっての基本をこの際、再考熟考する必要を感じています。